強迫性障害とうつ病
強迫性障害とうつ病
強迫性障害とうつ病は併発しやすいと言われています。
いくつかの原因がありますが、強迫性障害の原因もうつ病の原因もセロトニンにあるのではないかと考えられています。原因が同じであれば、併発しやすいと考えるのもおかしなことではないでしょう。
また、強迫性障害で、強迫観念と強迫行為に取りつかれている人は、望まない行為をひたすら続けて疲弊しています。
当然のことながら、自分の望まないことをして、結果的に自分の自尊心を傷つけるような状態を続けていれば、自信や意欲の喪失につながってもおかしくありません。慢性的な疲労状態もうつ病を招く原因となるでしょう。
強迫性障害の人がうつ病にかかりやすいというメカニズムもありますすが、うつ病になると普通の人よりもストレスフルな出来事の影響力を重く受け止めてしまいがちになるため、うつ病の側から強迫性障害を悪化させるということも考えられます。
この二つは、併発しやすいですが、併発することによりお互いに悪い影響を与えあうかもしれないという可能性もあるわけです。
二つの症状、一つの治療
強迫性障害とうつ病が併発しやすい、という点を指摘しましたが、一方で、強迫性障害に対してよく出されるSSRIはうつ病の薬でもあります。
また、緊張やストレスを和らげるために出される抗不安薬も、うつ病の症状を緩和させる効果も持っています。
仮に、二つの症状が出やすく、治療が全く別のものであったなら、問題を非常にややこしくしたかもしれませんが、強迫性障害の治療がうつ病の治療にもなるという性格から、併発したからといって、特別治療を変える必要もないということは不幸中の幸いと言ったところでしょうか。
強迫性障害に対して行われる心理療法―――認知行動療法は、そもそもうつ病や不安障害を解決する手法として考えられたという経緯もあり、少しアレンジを加えれば、うつ病を含めて対応することができます。
治療の大きな方針を考えなくても、二つの症状に対応することができる点は利点ですが、うつ病の人がマイナスの感情にとらわれ、そのマイナスの感情が強迫観念となって、それを取り払うために酷い行為をとるという関係も考えられます。
たとえば、否定的な感情から、自殺と言う行動につながった場合はどうでしょうか。
単独のうつ病よりも破局的な結末を迎えるかもしれません。結局のところ、不調に気づいたときには早めに治療して大きくこじらせないことが大事だということです。
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