強迫性障害の基本的な治療
強迫性障害の基本的な治療
強迫性障害に限らず、基本的に心の病気と言われるものに対しては、薬物療法が中心になります。
抗不安剤や抗うつ剤が出されることになります。そこに症状に応じて睡眠薬などが足されることになります。
強迫性障害の場合、強迫観念と強迫行為がセットで習慣化しているので、薬を飲んだからといって急に治るわけはありません。
ただ、強迫観念の強度は、薬を飲むことで緩和することができます。抗不安剤は即効性があるため、不安な気持ちや強迫観念を和らげてついでにだるくしてくれることと思います。
抗うつ剤の方は、効果が期待できるまである程度の期間飲み続ける必要があるため、時間を見ておく必要があります。
これに加えて、心理療法やカウンセリングを受けることもできます。それぞれ、専門的に実施してくれる人を探す必要があると思いますが、薬物療法を基本としながら、こうした治療を受けることで、不快な強迫観念や強迫行為を次第に弱めていくことができることでしょう。
薬物療法が基本、それ以外はおまけ?
一般的なクリニックに行く限りでは、薬物療法が中心となります。ただ、それ以外がおまけなのか、と言うと、必ずしもそうではなく、心理療法では認知行動療法が最近注目されています。
認知行動療法は、心の病は誤った考え方が引き起こす、という前提のもとに、考え方や行動を正していくことで、不安や感情面での乱れを取り除いていくというものです。
最近では、書店に行けば、認知行動療法のワークブックが簡単に手に入るようになっているため、自分で取り組むことができます。
難点としては、ワークブックは分量があり、読書習慣のない人が取り組むには結構大変なことと、ワークブックを進めていく上で作業をしなければならず、実行にはそれなりのエネルギーがいる、という点です。
また、この心理療法は、効果があるといっても全く薬なしで済むのかというと、その点では疑問視されています。
習慣を変えていく上で、心理療法を活用したり、カウンセラーの力を借りることは有用でしょう。
しかし、薬物療法でまずは症状を落ち着かせることを考えた方がいいと思います。治療のために慣れないことをして無理をする、というのでは、何をしているのか分からなくなってしまいます。
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