強迫性障害の状況を知る
強迫性障害の状況を知る
病気にかかると、なんで自分だけ、という思いに駆られます。
病気に限らず、痛手になる出来事があると、自分だけが辛い思いをしているのではないかという思いに陥るものです。
これは精神的に追い込まれているから、仕方がないといえば仕方がないのですが、実際には間違いです。
世の中で、強迫性障害という病気が認められているということは、同じような病気にかかっている人がたくさんいるということです。
たとえば、50人の学校のクラスだと一人しかかからないような病気であっても、100人なら2人かもしれませんし、1万人なら200人です。
自分の身の回りには強迫性障害を患っている人がいなかったとしても、スケールを変えると、たくさんの人がいることがわかります。
病気のせいで追いこまれている上に孤独感を上乗せする必要は全くないので、強迫性障害にかかっている人が他にもいるということを知ることは助けになります。
たとえば、強迫性障害を患っている有名人についてインターネットで調べてみましょう。
たとえば、最近では非常に有名どころで、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんが強迫性障害であったことを告白しています。
他には、サッカー選手のベッカムなどが有名です。別に有名人に仲間を発見することが慰めになるわけではないかもしれませんが、強迫性障害を患いながらでも社会的に成功することは可能であるという風に考えれば、落ち込んだ気持ちも楽になるかもしれません。
自分一人で抱え込まない
強迫性障害にかかったときに、自分だけがおかしな病気にかかっていると考えてしまうと、医療機関や行政の相談窓口やあるいは家族に協力を仰ぐことが難しくなるかもしれません。
誰も協力してくれない状況では、病気を治すという建設的な方向に意識が向かうよりも閉じこもる選択を選んでしまうかもしれません。
ただ、良く考えてみてほしいのですが、強迫性障害を患っている人は強迫観念だけではなく、それをキャンセルするための行動をとっているはずです。
この行動の部分は、他人にも見えます。おそらく家族は患者が妙な行動をとっていることを知っているでしょう。
強迫性障害の治療をするときに、わざわざ家族に症状を隠す必要なんてありません。病気について理解してもらって、治療に協力してもらったほうが得策です。
世の中で普通に生活している以上、他人とのかかわりは最低限あります。他人を巻き込みたくないと考えていても、その前に十分に巻き込んでいます。
家の中に閉じこもっていてさえ、食事や住居を提供する人がいるのです。病気の治療は結局自分で取り組まなければいけないかもしれませんが、別にひとりだけでなんとかしろといわれているわけではないはずです。
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